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初めてのワークショップ …を作ることになったあなたへ

いろいろな経緯でワークショップを行うことになったけど、あまり経験も知識もないのでどうしていいのか…、そんなあなたにツナグヒラクの経験をもとにしたワークショップの作り方をご紹介します。

ワークショップといわれても

「ワークショップ」は様々なジャンルの中で、それぞれ違ったイメージでとらえれているので、一義的に「こういう形で行うのがワークショップ」とはなかなか言い切れません。

「ビジネスや社会の課題を話し合う場」「親子で工芸品などを作る体験」「演劇の基礎的な訓練」などなど、「ワークショップ」という言葉でWebを検索すると実に様々なものが現れます。しかも、それぞれに「これがワークショップだ」と書かれているので、混乱されるのでないかと思います。ここではもう少しマクロに見たワークショップについて、共通して大事な部分について書いてみようと思います。

また、最近は「ファシリテーター」という言葉が広く使われるようになってきました。ファシリテーターがいれば、既存のプログラムに沿ってワークショップができるというイメージが広がっているかもしれません。しかし、効果的なワークショップを行うには、目的や対象者に合わせてプログラムを組み立てることから始める必要があります。

目的としては、チームビルディング,参加者の学びや成長,企画アイデア出し、対象者としては、職場,子ども,地域などが代表的かと思います。これらを組み合わせた3つのケースを例にプログラムデザインの方法をご紹介したいと思います。

ご質問などありましたら、ページ上下の「お問い合わせ」からお気軽にどうぞ。

ケース1:職場でチームビルディング 〔目的と条件の確認〕

最初に目的と条件を確認

まず最初に、目的と条件を確認することが大切なのはどのケースでも同じです。

参加者の関係性構築

最初のケースとして職場でのチームビルディングを取り上げますが、この場合の目的は参加者間の関係性構築と言えるでしょう。しかし、これだけでは漠然としていて難しいので、具体的なプログラムデザインに落とし込めるようにもう少し具体化します。

今回の目標をすり合わせる

具体的に、どのような関係性を構築するのか、今回の目標を関係者間で合意しておきます。このワークショップが終わった後、参加者の関係性がどんな状態になっていることを目指すか。

例えば、「名前と顔が一致する」「次にどこかで会ったときに気軽に声がかけられる」という軽いレベルから、「わからないことがあった時に質問できる」「困ったことがあった時に相談できる」など、より実践的に機能するレベルまで、具体的表現で設定します。

プログラムデザインでは、この目標とする状態を時間内で実現するために、具体的にどんなことをどんな順番で行うかを考えます。この時に様々な条件を考慮して適切なプログラムとするために、実施条件を確認します。

実施条件を確認

主な実施条件として、参加者,時間,場所などにかかわるものを確認します。

参加者について確認

参加者の範囲として、対象とする組織、その中の全員なのか、希望者なのか、特定のピックアップされた人なのかなど。参加者の特性として、年代,性別, 職種の割合など。参加者同士の関係性として、初対面の人が多いのか、同じチームのメンバーか,利害関係が強いかなど。

時間について確認

開催頻度として、1回だけなのか、何回か連続するのか、週ごとや月ごとなど定期的に継続するのかなど。時間帯としては、業務時間内、終業後、休憩時間中、休日開催など。1回の開催時間はどのくらいか、その中でワークショップ部分はどのくらいか。

場所について確認

広さはどのくらいか、机や椅子などのレイアウトの自由度、ホワイトボードやプロジェクターなどどのような設備が利用可能か、壁に紙などを貼ることは可能か、音や振動などどの程度まで許容できるかなど。

従来ワークショップはリアルに同じ場所に集まって行うのがほとんどでしたが、最近ではオンラインで行うことも多いので、それについては別の記事で詳しく書きたいと思います。

さて、目標と条件という考える材料がそろったところで、いよいよプログラムデザインですが、次回更新に続きます。

く、自然な流れを作りやすいかと思います。

チームビルディングのためのワーク

目標が、「声をかけやすくなる」「質問や相談ができる」などであれば、その人を知るための会話を沢山できるようなワークが良いでしょう。例えば他己紹介やヒーローインタビューなどが考えられます。それらを前段として、さらに大人数でチーム全体の共感性を高めるような目標であれば、ワールドカフェでチームのテーマにつながるような対話を繰り返すなども考えられます。ペーパータワーなどの協働性を多く伴うもので一体感醸成を狙う場合もあるでしょう。

関係性構築のワークにつながるアイスブレイク

次に、事前情報から推測した開始時点での参加者の雰囲気から、メインワークやその前段のワークに参加者が自然に入ってけるような状態を作る、アイスブレイクなどを考えます。例えば、まずは4マス自己紹介でどんな人かを簡単に共有するとか、ランダムに歩きながら出会った人と一言会話することで、少し口を軽くしておくなどが考えられます。特に関係性構築目的の場合はアイスブレイクは丁寧に行う方がよいでしょう。

なお、ワークの内容を考える際に、事前に確認した場所の制約、特に机や椅子などのレイアウトの自由度は考慮する必要があります。また、職場の場合、会議室などが会場になることが多いと思いますが、いつもの仕事の雰囲気から変える一工夫もあったほうが良いかもしれません。

確認と調整のポイント

実際にワークショップが始まると、プログラムデザイン時の想定からは様々なズレが生じます。ワークショップはナマモノなどと言われる所以です。対応するには臨機応変にファシリテーションしながら、プログラム自体を柔軟に変更する必要もあります。熟達したファシリテーターなら、豊富な経験からその場その場で対応することもできるかもしれません。しかし、予めプログラムデザイン時に、ズレを確認するポイントと変更の選択肢を用意しておくほうが安心でしょう。

時間が足りなくなったり余ったりとういことは往々にして起こりますので、カットする内容の優先順位や追加で行う予備の内容などを考えておきましょう。 時間だけでなく、参加者の様子も観察するポイントと、その結果に対する、内容,進め方,声掛けなどによる調整などについても、事前に考えておくとよいでしょう。

ワークショップの終わり方

メインワークの後、ワークショップの最後にリフレクションを行うことも大切です。この時間に経験したことを振り返る内省や言語化などを行うことで、自分の中で気づきが定着していきます。このケースであれば、この人と今度こんな話をしてみようという、少し具体的な想像をしてもらうのもよいかもしれません。

トライアルによる確認とブラッシュアップ

頭の中や紙の上で考えただけでは、必ず見落としや勘違いが発生します。トライアル(試行)として、考えたプログラムを一通り行って確認することをおすすめします。本番の参加者に近い属性の人に参加してもらえれば理想的ですが、開催関係者の中でまずは試してみるのも良いでしょう。その結果として、やりずらかったところ,違和感があったところ,目標の達成程度など、トライアル参加者からのフィードバックをもらって、プログラムをブラッシュアップしていきます。

ケース2に続きます。次回は7月中旬更新予定です。

ケース2:子どもの学びや成長

目的と条件を確認

2番目のケースとして、子どもを対象とした、学びや成長のためのワークショップを取り上げます。 基本的な流れは他のケースと同じですので、まずは目的と条件を関係者で確認します。

目標の確認

このケースの目的は何らかの成長につながるような体験を提供することでしょう。 でも、1回のワークショップで顕著な成長が感じられるということは少ないと思います。 そこで、今回のワークショップでの目標を確認しましょう。 興味のきっかけを作り、帰宅後や後日の自主的再試行につながる。 自己効力感を育てるための一つの小さな成功体験となる。 その他、できるだけ具体的に言語化しておきましょう。

参加者の確認

子どもの場合、特に年齢の確認が重要です。 例えば「小学生」という言葉でくくってしまうと、1年生と6年生では大きく違うことを見過ごしがちです。 発達段階によって、できることも適切な内容も大きく異なります。 また、学校やクラスが一緒なのかなど、日常的な関係性の有無も確認しましょう。

場所の確認

普段通っている学校などホームな場所か、見知らぬアウェイな場所なのかで、最初の緊張感が違います。 休日の学校で複数の学校の子どもが参加するワークショップを行った際、 その学校の子どもに、他校の子どもへの下駄箱の場所の案内をしてもらったところ、 結果的にこれがちょうどよいアイスブレイクになったことがありました。

一人一人で作品を作るような内容で、協働性を入れることが難しい場合でも、 席の配置をちょっと工夫することで、視界に入る他の参加者の様子から刺激を受ける可能性もあります。

プログラムデザイン

目標から逆算してワークやアイスブレイクを組み立てていく流れは、ケース1と同じです。 なお、子どもの集中は長時間続きません。 個々のワークやアクティビティは、それを考慮して時間を設定しましょう。

学びのためのワーク

事前に確認した発達段階に応じたワークを考えましょう。 例えば小学校低学年では、言葉によるコミュニケーションが十分できないことがあります。 その場合、身体表現や制作物などの媒介手段を用意することで、スムーズになることもあります。

普段の生活とは違う世界に出会うことで、新たな刺激から視野を広げられるかもしれません。 演劇,音楽,ダンスなどのアーティストから学ぶ体験、 外国人など異なる環境の人との交流、 自然や環境問題などに目を向けるなど。 別に有名な人でなくても、身近な所から「その道の人」をコーディネイトできるかもしれません。

自主性や参加性を高める工夫が大切なことも他のケースと同様です。 正解を教えるというよりも、体験や試行錯誤から自分で考えられる場を作ることが、質の高い学びにつながることも多いと思います。

ワークショップの終わり方

最後にリフレクションを行うことは、ワークショップで経験したことを学びとして定着させる意味で、このケースでは特に大切です。 内省的に振り返りますが、大人のように言語化することが難しい場合も多いと思います。 そんな時は、ワークショップ中に撮影した写真をスライドショーにしてみるというのもオススメです。 みんなで見ながら簡単に話すだけでも、体験を自然に振り返ることができるでしょう。

ケース3:地域の企画アイデア出し

目的と条件を確認

3番目のケースとして、地域の人たちでイベントのアイデア出しを行うような場合を取り上げます。 基本的な流れは他のケースと同じですので、まずは目的と条件を関係者で確認します。

目標の確認

このケースでは、地域の活性化、施設の有効活用、イベントの成功など、ある程度はっきりした目的があるでしょう。 ただ、それらは今回のワークショップを含む一連の活動を通して目指すゴールということになります。 一連の活動を設計する中で、複数回のワークショップを行うことや、定期的に継続することも必要になるかもしれません。 そこで、最終的目的のためのサブゴールとして、1回のワークショップの目標を確認しましょう。 まずは情報の収集と整理なのか、様々な立場や視点からの意見を俯瞰的に共有するのか、 何かしらの結論までもっていくのかなど、到達レベルを設定しましょう。

また、企画を考えるような場合、副次的な効果として参加者の気づきなどもあるでしょうが、 メインの目標はあくまで何らかのアウトプットを出すことになると思います。 ですから、次のどんなアクションにつなげるための、どんな成果物をアウトプットするのかを事前に具体化して、ゴールイメージを共有しておきましょう。

参加者の確認

地域では、様々な立場や属性の人が集まることが多いと思います。 できるだけ、それらを事前に確認しておきましょう。 特に、テーマに対する関わり方、利害を含めた相互の関係性、当事者意識の温度差などによって、 ワークショップの想定は変わってくるでしょう。

気を付けたいことは、主催者からの予定調和圧力のようなものを感じて、 参加者がそれを忖度するような雰囲気にならないように配慮ことです。 誰でもフラットな立場で安心して自由に発言できる場づくりは、 すべてのワークショップで大切なことですが、このようなケースでは特に重要です。

場所の確認

通常、このようなケースでは、テーブルを囲んで椅子に座ってという形を想定すると思います。 それでも出来るだけ、スペースの余裕や什器移動など、柔軟な空間デザインが可能な場所を選ぶことをお勧めします。 ワークショップには適度に身体性の要素を盛り込むことか効果的ですが、このような「考える」場合でも例外ではありません。 歩いているときにアイデアが出やすいという話はよく聞きます。 座って行うことが多いブレインストーミングを、立って行うをだけでも多くのアイデアが出ることも、何度も経験しています。

プログラムデザイン

安心な場づくりのためのアイスブレイクやチームビルディング、今日の目標と前提情報の共有を経て、 メインワークへと進むのが、多くの場合の大きな流れでしょう。 ここでは、メインワークとして、アイデアを出してまとめるような場合の典型的な例を挙げます。

アイデア出しの流れ

アイデアを考える際には「発散」と「収束」を分けて行うことが重要です。 発散の際には、ひとつひとつの吟味はせずに、とにかく沢山のアイデアを出します。 その後、収束の際には出されたアイデア全体を俯瞰して、その構造や傾向から有望な領域を絞り込みます。 そして有望な領域について、再度、発散→収束を行います。 これを繰り返すことで、たまたま挙がった一つのアイデアに固執することなく、 全体を俯瞰しながら良いアイデアに近づいていくことができます。

ちなみに、この記事の原稿もこの方法で作成されています。 ツナグヒラクメンバーの経験から大事だと思う項目を発散的に出して、 それを収束によって構造化したものを文章化しました。

発散のためのワーク

発散のための代表的方法として、ブレインストーミングがあります。 参加者は自由闊達にアイデアを出しながら、それを簡潔に1枚ずつの付箋に書いていきます。 この手法の生みの親であるオズボーンズ氏は、守るべき以下の4原則挙げています。

収束のためのワーク

収束のための代表的な方法として、親和図法があります。 発散で量産されたアイデアの付箋を、似たもの同士を寄せて島を作ります。 さらに、似た(あるいは関係のある)島同士を寄せていくことを繰り返します。 これによってアイデアの構造が浮かび上がってきます。

オンラインでのワークショップ

対話中心ワークショップの基本的方法

今までは当然の様に、同じ場所に集まった参加者同士の関わりがあってこそのワークショップと思っていました。 それが急に難しくなって、そこから様々な模索が続いています。 この記事の最後に、対話中心のワークショップをオンラインで行う方法について、 現時点(2021年9月)でわかってきたことを記載します。

オンラインでのワークショップには、多くの場合、Zoomなどのビデオ会議用アプリが使われます。 なお、Zoomはアップデートが頻繁なので注意しましょう。 古いバージョンを使用している参加者は、特定の機能が使えなかったり、画面の様子が違ったりします。 参加者には最新版にアップデートしておくことを、事前にお願いしておいた方がよいでしょう。

グループワークでは、ブレイクアウトルームなどの部屋を分ける機能を使います。 ただ、同じ空間で数人ずつ集まるグループワークと違い、 ブレイクアウトルームでは他のグループと完全に遮断されてしまいます。 ファシリテーターにとっても参加者にとっても、個々のグループの様子を感じにくいのが難点です。 これについては改善策を後述します。

運営上の工夫

ワークショップを進行するファシリテーターとは別に、テクニカルサポート要員の確保をおすすめします。 遅刻者対応は常に課題になりますが、オンラインでは入室者確認と承認作業が発生します。 また、ネットワーク不良などによる途中切断者の再接続にも備える必要があります。 ブレイクアウトルームのメンバー割り当てや、オンラインツールに不慣れな参加者の個別フォローなどもあります。 これらをワークショップの進行と並行して一人で行うのは困難です。 また、通信トラブルなどに備えて、電話など予備の通信手段を用意しておくと安心です。

参加者の環境は様々です。 PCかスマホか、マイクやカメラをオンにできるか、周りに家族など人がいるか、屋外から参加しているかもしれません。 プログラムデザインでの配慮も大切ですが、すべてに完全に対応するのは難しい場合も多いでしょう。 必要な環境条件を参加者に事前に連絡しておきましょう。

場づくりの工夫

画面越しの対話では、表情などから相手の反応を感じることが、どうしても難しくなります。 大きめの反応を心がけるようにしましょう。 簡単なところでは、うなづきを多め大き目にするだけでも話しやすくなります。 最初のグランドールールなどで、参加者にもお願いすることで、話しやすい場になるかと思います。

オンライン会議では画面共有機能を使った資料投影が多用されます。 ワークショップでも適切な場面での活用は有効です。 ただ、話す人の顔や表情は逆に見ずらくなることを忘れないようにしましょう。 自己紹介の時は、特に話す人の顔が見たい場面です。 画面共有の使いすぎには注意しましょう。 簡単なことなら紙に大きく書いて見せるなど、アナログな手段の併用も効果的です。 なお、バーチャル背景で紙が見えなくなることもあるので注意が必要です。

身体性や協働性を取り入れる

ワークショップに身体性を取り入れることは有効です。 オンラインでは難しいのは事実ですが、あきらめてしまう前に工夫してみましょう。 例えば、エアーキャッチボールなどは、オンラインのアイスブレイクとして効果的です。 誰かの名前を呼んで、その人にボールを投げるふりをして、呼ばれた人が受け取り、これをリレーしていくものです。 参加者間で名前を呼びあう準備にもなりますし、空間を超えて全員がつながっている感覚も得られます。

ビデオ会議用アプリの他に、オンラインで共同編集のできるツールも併用することで、協働性を取り入れることもできます。 よく使われる付箋や模造紙を使ったワークは、Google Jamboardなどのオンラインホワイトボードを併用することで、ある程度可能です。 また、対話の内容を可視化したり、グループで何かをまとめたりするには、Google Slide などが活用できます。 なお、このようなツールを全員で共有しながら、グループごとにページなどを分けることで、ブレイクアウトルーム間で、対話の状況を緩やかに共有することもできるようになります。

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