テーマとコンセプトとこだわり
最初のブレストで、 今回の方向性を「特定の時間や場所に向けたゲーム」から始めることになり、 次に「特定の時間や場所」をブレストした結果、 「コワーキングスペース」をターゲットに選んでみることにしました。 前職で、その界隈に少し関わっていて、 そこでは、利用者同士の交流も重要視されていて、 そのためにゲームが置かれることもあることを思い出したのです。
さて、「コワーキングスペース向けのゲーム」のブレストです。 その結果、「キャッチコピー」というキーワードが浮かんできました。 コワーキングスペースを利用する「ビジネスを考えている人」は、 顧客や関係者にアピールするための「キャッチコピー」にも興味があるはず、 と思ったのです。
いよいよ、「キャッチコピーのゲーム」のアイデアを考えます。 今度は、全く無関係な動物(今回はたまたまコアラでした)の特徴とかけ合わせる強制連想を行いました。 「木で過ごす」「東山動物園」から「その場にあるもの」「ご当地もの」というキーワードが連想され、 そこから「お互いの商品やビジネスのキャッチコピーを作ってみる」というアイデアに発展しました。 前述のように利用者間交流が重要なのは、ビジネスコラボレーションへの発展が期待できるからです。 キャッチコピーを考えるためにお互いのビジネスを知ることが、その第一歩になると考えました。
しかし、これはどちらかというとワークショップの範疇で、 一般的なボードゲームとしてはハードルが高い気がします。 そこでゲームとしては、 予め用意された商品カードと付加価値カードを組み合わせて新商品を考えて、 それをアピールするキャッチコピーを考えるという内容にしました。 コワーキングスペースや企業向けには、このゲームを入口として参加者にそくしたワークショップを提供できればと考えています。 もともとワークショップデザイナーであるツナグヒラクならではの展開です。
この時点で、コワーキングスペース限定ではなく、 商品企画やコピーライティングを疑似体験して楽しむ一般向けボードゲームになりました。 ただ楽しむだけでなく、企画マインドが醸成できるという点では、 コワーキングスペースにもオススメのゲームということは変わりませんが。
実は最初のブレストで「架空のゲーム世界に閉じない、参加者のリアルをからめる」も挙がっていました。 そこで、目の前の相手の実際のニーズから商品企画を出発させることにしました。 商品や技術の利点を売り込むことより、ユーザーのニーズやベネフィットをちゃんと理解することが一番大切。それが、以前たずさわった企画の仕事で学んだことでもありますので。