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アフレコ 制作ストーリー

ツナグヒラクとしてはシャベロク,シャベリエというコミュニケーションツールを開発し販売しています。一方でもう少しゲームとして楽しめるものもあった方が、たくさんの人に使ってもらえるのではないかと思い、ツナグヒラクらしいコミュニケーションゲームを作りました。せっかくなので、どのような過程を経て一つのゲームが出来上がっていくのかをこちらに書いてみました。

ブレーンストーミング~試作

ブレスト時の付箋

まず、ツナグヒラクらしいゲームについてブレーンストーミングをしてみました。

自己紹介やアイスブレイクにも使える。人となりが現れる。ロジカルでないゲーム。シンプルで汎用性がある。ルールがわからなくてもなんとなく始められる。親密度の差があるときによいゲーム。日常の場面。絵のカードを使う。などなど、いろいろ出ましたが、ここで注目したのが「ポーズ」というキーワード。

情景の絵を見てそこから連想したことを話してもらうということは、シャベリエですでに行っていますし、他にもそういうカードやゲームはあります。そこに人物のポーズも加えることで行為の具体性が増すのでは、という発想です。

試作カードでの実験1

早速試作をして試してみました。まずは自己紹介などでの使い方。情景とポーズを1枚ずつの組み合わせて、お題に答えます。「最近あったちょっといいこと」、「とっておきの失敗談」などの過去系。「休みの日にやりたいこと」「死ぬまでに一度はやっておきたいこと」などの未来系。確かに情景だけより具体的な行動が、特に過去系でイメージできました。

次にストーリーテリング系ゲームとして。情景とポーズを1枚ずつ開いて物語をつないでいきます。情景が毎回変わるとポーズの変化による展開が活きてこないので、1枚の情景にポーズ3枚ずつをつないでいくように変更。やってみると登場人物のセリフが自然と出てくる感じで、ストーリーというよりドラマを作っている感覚です。

使い方が見えてきたので、ポーズのバリエーションとしてどんなものがあったほうが良いかもブレストしました。

ゲームデザイン~実験

試作カードでの実験2

ここからは試作、実験、設計変更をひたすら繰り返します。ツナグヒラクは夫婦ユニットなので、こういう実験が自宅で簡単にできるのは便利なところ。

まずはターン毎に全プレーヤーが手札からポーズカードを1枚ずつ出して、全員で投票してポーズを決め、カードを出した人がそれに合わせたセリフを言うというもの。ポーズカードを早く使い切った人が勝ち。

ターン毎には、敢えてセリフを言わずに進めてしまい、後から種明かし的にセリフをつけていくパターンも試しました。いちいち考えないので流れはスムーズで、話も作りやすいですが、思い切った展開は難しい。

各ターンの投票で勝者が決まる方法では、勝ってる人に投票しないようになるなど、つまらない戦略が入る可能性がある。そもそも、進行のテンポ感も悪くなることから、各ターン毎の投票は廃止して、単純に順番に出していくことに。勝敗が重要なゲームでもないので、最後に誰のどれが面白かったかを振り返るくらいに割り切りました。

試作カードでの実験3

場面カードも沢山あった方が話の展開も広がるが、カードの数が増えるとコストが上がってしまいます。また、情景の絵だと「どこで」だけだけど、「いつ」や「だれが」などもあった方が広がるのではないか。そこで、思い切って情景の絵をやめて、ナレーション風に場面を描写する言葉を、1枚のカードに複数書いて、そのなかから選ぶように変更しました。体だけの一人芝居風になって、これはこれで言葉と身体表現に集中できて良いようです。

ナレーションに続けて身体的演技にセリフをあててドラマを作るという世界観から、名前を「アフレコ」にしました。また、今後はポーズカードをアクションカードと呼ぶことにしました。

複数の人物が登場すると、それぞれの人物の続きが分かりにくくなります。また、登場人物には名前がないと気持ちが入りにくいようです。そこで名前のチップを用意して、アクションカードを出したら、その上に名前チップを移動していくようにしました。

テストプレイ~改良

BGEngineでのテストプレイ画面

だいぶ形になってきたので、この辺で他の人にもテストプレイしてもらいたいところです。しかし、ここでコロナ禍になってしまいました。カードゲームなのでどうしても集まって試す必要がありますが、それができません。困った。

調べてみると、BGEngineというサービスを発見しました。あくまでテストプレイ用ですが、オンラインでできるようです。早速試してみると、比較的簡単にアフレコを再現することができました。

そこでSNSなどで協力者を募って、オンラインでテストプレイを行いました。それなりにブラッシュアップはできました。

Zoomでのテストプレイ画面

しかし、この過程で大きな問題に気づきました。このような形でテストプレイはできても、出来上がったものは、このご時世でどうやって使ってもらえるのかと。そもそもの前提を考え直すべきではないかと。

カードゲームには、配ったりせずに、見せるだけで成立するものも中にはあります。そこでアフレコを持っている人がZoomなどで他のプレーヤーにカードを見せるだけでできるような、新しいルールを考えました。今度はZoomと紙の試作カードでテストプレイ。すると、この方がシンプルで良いのでは?となって、こっちを基本編、今までまで考えていた方を応用編とすることにしました。話を面白くするスパイスとしてのアイテムカードも加えました。

アートワーク~製造

サンプル印刷されたカード

さて、実際にモノとして作っていく過程です。カード、箱、説明書などの原稿を作ります。これには以前からClip Studio Paintを使っていますが、今回は様々なポーズが中心です。そこでVRoid Studioで3Dキャラクターを作って、そこにクリスタでポーズをつけました。これでテストプレイ結果からの試行錯誤などもしやすくなりました。キャラクターは色々に見立てやすい性別年齢不詳なニュートラルなキャラクターを目指しました。

箱の作成過程

スゴロクの難点として、進度のバラツキがあります。早く上がってしまた人も、なかなか上がらない人も、あまり楽しくはありません。

シャベロクでは、自分の止まったマスのカードを場から手元に引き取ります。このため、後から来る人ほどマスの数が少なくなります。結果として進度が平準化されます。この効果は、コンピューターシミュレーションからも、実践の観察からも確認されています。

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