くまさん「おまえ、あの話きいたか?」 定吉「はっつぁんのおかみさんが買い続けていた富籤が当たったらしいじゃないですか?」 番頭「あの、おかみさんが富籤当たったんだって!夢枕にでてきた話じゃないか。」 くまさん「じゃあ何かご馳走してもらえるかなぁ。」 定吉「あ~いいじゃないですかぁ。ご馳走してもらうなら金坊も呼んでいきましょう。お~い金坊!!」 番頭「私も一緒にお願いしますよ。」 はっつぁん「 うえーん、富籤があたったことが皆にばれて、かみさんに怒られたよ~」 定吉「そうか、この話、みんなにしちゃまずかったのか~ いくら富籤に当たったんだい。当たったお金をみんなで分けてドロンしちゃおうぜ。」 権助「それじゃあ、あまりにもはっつぁんがかわいそうだ。」 くまさん「何か隣から泣き声がするぞ!」 定吉「そいえば、つい先だって、与太郎が生活に困って首を吊ったって。化けて出るって聞いたよ。」 ご隠居「南無阿弥陀仏。どうか私のところには出ないでください。」 与太郎「みんな!集まってどうしたの?ぼく、はっつあんのおかみさんに、ごはん食べさせてもらって元気になった!」 くまさん「そりゃぁ良かったな。あっ、いけねぇ。うちの子供とスイミングスクールに行くんだった。」
2024年5月6日 魔人さんの作品 旦那「うーむ、なんだいなんだい、上手くいかねぇ話もあるもんだ」 おかみさん「どうしたんだいお前さん、珍しくそんな神妙な顔をして」 定吉「変でしょうおかみさん、おいらがことづかった手紙をお届けしてから旦那ずっとこうなんですよ」 おかみさん「本当かい、いやだねやましいところでもあるんじゃないのかね」 旦那「揃いも揃って人聞きの悪いことを言うんじゃないよ! …いやね、お里さんが吉三郎との祝言も間近に控えておきながら、あろうことか別の男と駆け落ちしちまったっていうからさ」 定吉「えっ?お里さんってあの…「気立はいいが器量はまぁまぁだねぇ」なんて旦那がいってた…いや、もうちょっと酷ぇことを言ってた気がしなくもないけど、おいらにもよく優しくしてくれる心は綺麗なお里さんのこと?」 おかみさん「 お前さんそんな酷いことを言ってたのかい? いくらあたしみたいな器量よしを見慣れちまってるからって、あんなに気立てのいい娘をつかまえてそりゃあんまりじゃないのさ、いくら本当のことだってねぇ…」 旦那「いい加減にしなさいお前たち、定吉はあることないことでたらめを…それに近頃じゃ人の見目形をアレコレいうのはコンプライアンスに引っかかるんだよ気をつけなさいよ、おかげでちっとも本題に入れないじゃないか」 定吉「そういやぁ駆け落ちがどうのって、旦那、本当なんですかい?」 旦那「どうやらそうみてぇだ、あの吉三郎もかわいそうにな、あたしらは仲人ってわけじゃあなかったが、それでも2人の縁が上手く行くようにと色々気を揉んで世話してやったのに…まさかその吉三郎をお里さんがうらぎるなんて…」 旦那「なんだかあたしまで悲しくなっちまって一杯引っかけたいよ、なあ」 おかみさん「昼間っからしかたないねぇ…だがお前さんの気持ちもわかる、一杯だけだからね」 定吉「吉三郎がかわいそうだって? あはは、旦那もおかみさんも何もわかっちゃいねぇや! お里さんがどこのどいつと駆け落ちしたかはしらねぇけど、きっと吉三郎に縁付くよりはしあわせになってらぁ」 定吉「なにせ吉三郎ってのはああ見えて金づかいが荒いし、癇癪持ちなところもあるってんで、絶対ああなっちゃいけねぇって、おいら、いろんな人から言われてるんだい、まるでうまく人間の皮を被ってる「狸みたいな野郎」なんだってさ、お里さんもきっとそんな吉三郎の本性に気づいて愛想を尽かしたのさ」 定吉「ああ、おいらが届けた手紙はいい知らせたったようで安心だ! 「狸みたいな野郎」なんて、狸にも随分失礼な陰口で、おいらまでなんだか気分が悪かったくらいだからな、これで心置きなく山に帰れるや、ドロン!」
2024年5月1日 マックスツナさんの作品 旦那「番頭さん、権助が駆け落ちしたって本当かい?」 番頭「そうなんですよ、あいつ昨日から姿が見えなくって」 旦那「あいつお金もないのにどうするつもりなんだい」 番頭「それがあいつ、富くじが当たっちまったらしいんですよ」 旦那「だからって女と逃げるとは生意気な…」 権助「旦那さん、番頭さん、一体何の話をしてるんで?」 旦那「おやっ、権助 どこに行ってたんだ」 権助「いやー、それが富くじの金をアテに駆け落ちしようと思ったんですが、金も女も盗まれちまいまして」 旦那「権助!地獄の沙汰も金したいと言うだろう、すぐ取り返してきなさい!」 権助「えぇ~、そんなに~!?分かりました、いってきまーす ドヒューン」
2024年2月24日 体験会での作品1 はっつぁん「おれら花見に来たんだろ。飲んで食ってばっかりだな」 くまさん「だって、うまくて箸が止まらねぇんだよ」 くまさん「ちょっと、俺の玉子焼きとるなよ」 はっつぁん「お、遅れてた奴らが来たぞ、こっち、こっち」 はっつぁん「おーい、与太郎!こっちこっち!」 はっつぁん「みんな集まれて、うれしいなぁ」 与太郎「ねぇ、聞いてよ、ゆうべ死んだおかみさんが夢に出たんだけど…」 与太郎「あれ?みんなどこ行った?これって夢の続きか?なんか青空の下、遠くに観音様が見えて気持ちいいな」 与太郎「なんか周りがうるせいな、シー、せっかく天国気分なのに、目が覚めちゃうじゃないか」 くまさん「おい、与太郎、こいつ全然起きないな、ま、こいつの分まで飲めるからいいか、酒サイコー!」 くまさん「こりゃ極楽だ」
2024年2月24日 体験会での作品2 定吉「やっと卒業できました!ありがとうございます!」 旦那「卒業おめでとう、桜の下で飲む酒はうまいな」 定吉「でも、ここを出なきゃならないから、ずっと好きだったお花ちゃんと別れるのがつらいんです」 旦那「本当かよ!どうにかなんないのか」 旦那「待てよ、そういえば、昔の仲間が「駆け落ち代行業」をやってたなぁ」 花ちゃん「もしかして、勝手に私の話してる?」 定吉「でも、駆け落ちするなら、花ちゃんの身代わりを用意しなきゃなんないな」 定吉「旦那、その業者に頼むといくらかかるんですか?」 旦那「うーん、わかんないな、今、呼びつけるから、聞いてみよう!」 花ちゃん「私の気持ちも知らないで、なに勝手に話を進めちゃってるのよ」 駆け落ち代行業者の与太郎「化けるのも得意ですから身代わりもできますよ」 はなちゃん「化けてもらえるんなら、駆け落ちしちゃおうかな!」 与太郎「花ちゃんサイドからもゴーサインいただけたんで、三両で引き受けさせていただきますよ」 定吉「えー、三両は払いたくないから、やっぱり一人で行きますわ」 旦那「そうか、じゃ、一人で行くということでこの話は一件落着」